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がっこうぐらし!

『がっこうぐらし!』(SCHOOL-LIVE!)は、原作:海法紀光、作画:千葉サドルによる日本の漫画作品。『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)にて、2012年7月号より連載中。2015年8月現在、原作コミックスは6巻まで刊行されている。2015年7月にはテレビアニメ化され、深夜アニメとして放送されている。

ゾンビの出現によって崩壊した社会で、学校に立て籠もって寝泊まりする女子高生たちを可愛らしいタッチで描いた、サバイバルものの漫画である31。原作者の海法によれば、ゾンビ物の作品としてすぐ思いうかべるような、バトルアクションものとは異なる路線を目指しており4、過ぎ去っていく日々を精一杯生きる、登場人物たちの学校生活を描くことが意図されているという5

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ストーリー

高校編(第1巻 - 第5巻) 編集
巡ヶ丘学院高等学校の生徒で、明るく元気な丈槍由紀、ちょっと体育会系の恵飛須沢胡桃、穏やかなまとめ役の若狭悠里。彼女たちの住む街は、人間をゾンビに変えてしまう感染症のパンデミックによって地獄絵図と化していた。学校内に他の生存者はなく、3人は外界との接触を断たれている。当初の避難生活を導いてきた教師の佐倉慈は、学校での避難生活を部活動の一環として捉える「学園生活部」を創立し、生き残った3人を部員に迎えて温かく見守ろうとしていたが、その矢先に命を落とし、故人となっている。しかし、由紀は現実に起こった災禍を認識できないかのような態度をとり続け、すでに落命したはずの慈や生徒たちに空想の中で囲まれながら、ほのぼのとした楽しい学園生活を続けている。由紀の空想の中では、学園生活部は生徒会室を拠点に学校全体を借りて寝泊まりする部活という位置づけである。他の2人は由紀の空想に話を合わせつつ、彼女の明るさにも救われているが、次第に生徒会室の備蓄食料や生活物資は尽きていく。

3人は由紀の「遠足に行こう」という提案に便乗する形で物資を補給するために学校外へ出る決意をし、群れなすゾンビたちを振り切り、放置車を無免許運転してショッピングモールへ辿り着く。そこで同じ学校の下級生である生存者、直樹美紀を救出し、彼女を学園生活部に迎え入れる。美紀は当初、現実から目を背けて虚構に逃避し続ける由紀の言動と、それを是としている他の2人のことを共依存に過ぎないと批判して軋轢を生むが、由紀が彼女なりに不穏な事態を何らかの形で認識しており、意識して皆を明るく励まそうと務めていることを認めて和解する。

ところがその直後、美紀が慈の遺品の中から、まるで現在の災禍を予見していたかのような「職員用緊急避難マニュアル」を発見し、再び波乱が起こる。それは感染症の正体が生物兵器によるバイオハザードで、巡ヶ丘学院が有事を想定した拠点施設であることを示唆するものであった。相談を受けた胡桃は真相を確かめるため、避難マニュアルに記された校舎地下のシェルターに潜入するが、そこでゾンビとなり果てた慈と遭遇し、動揺するまま負傷してゾンビ感染してしまう。悠里はゾンビ化しつつある胡桃から身を守るためには、さっきまで友人だった胡桃を殺さなければならないという状況を前にして精神的に追い詰められるが、美紀は面識のある慈と戦えない他の3人に代わって慈のゾンビと対決し、感染に対処できる薬品をシェルターから持ち帰る。胡桃は後遺症の可能性を残しつつも一命を取り留める。

避難マニュアルに記された連絡先には、バイオハザードの元凶として疑わしい大学「聖イシドロス大学」と、企業「ランダルコーポレーション」の名が記されていた。進学か就職かという卒業後の進路に例えつつ、4人はどちらを先に調査すべきか悩む。そんな中、4人が風船やラジオを用いて発信し続けていたSOSが実を結び、外界からのヘリコプターが飛来するが、ヘリは墜落して校舎を巻き込む火災を起こしてしまう。4人は炎と煙の中で分断されてしまうが、由紀の機転や現実とも幻ともつかない慈の導きにより、全員が難を逃れる。しかし学校のインフラは壊滅状態となり、4人は由紀の提案に乗る形で、高校を「卒業」して聖イシドロス大学へ「進学」することを決断する。

大学編(第6巻以降) 編集
大学へ向かう卒業旅行の最中、4人は「ワンワンワン放送局」からのラジオ放送を受信し、DJからキャンピングカーを手に入れる。また、胡桃がゾンビから認識されなくなったり、悠里が妹の記憶を取り戻したりする中、4人は鞣河小学校からのSOSを受けて救助に向かうと、悠里が鞣河小学校で助けた(と主張する)少女るーちゃんを連れ、一行は聖イシドロス大学にたどり着く。しかし、構内に入るなり大学の武闘派の生存者からクロスボウで攻撃を受け、さらに自動車で追い回される。一行を助けたのは、武闘派とは別グループの3人の少女たちであった。

登場人物

学園生活部 編集
丈槍 由紀(たけや ゆき) / ゆき
声 - 水瀬いのり
本作の主人公。巡ヶ丘学院高校3年生。天真爛漫な少女で、学園生活部のムードメーカー。ゾンビ騒動以前からケモノ耳ような尖りのある帽子注釈 1を被っており、翼の飾りが付いたリュックを愛用している。元々子供っぽい性格であったが6、ゾンビ騒動に大きなショックを受けて塞ぎ込んだ後76、幼児退行を起こして不自然な形で元気を取り戻し始め76、慈の死をきっかけに現状を認識できなくなったかのような言動をとるようになる7注釈 2
幼児退行する以前の描写は少ないため元の彼女がどのような人物であったのかは不明な点も多い。平時の視点においては聡い所もある一方で友人のことを大事にしている。
劇中では完全に現状を把握していないわけでもなく、妄想の慈が助言することも多い。幾度となく肝試し大会(購買部への物資調達)や遠足(ショッピングモールへの物資調達)、体育祭、学園祭、卒業式といった行事を皆に持ちかけており、そのことが行き詰まった状況の打開を促すこともある。内心では自分が足手まといで庇われていることに対する負い目や910、慈を助けられなかったことに対する何らかの悔恨を抱えており1112、努めて明るく振る舞い皆を励まそうとしたり910、目の前の他人に差し迫った危機に対しては自分を省みない行動を取ったりすることができる1213
かしこまった際の「ラジャー」や、謝る際の「ごみん」といった独特の言葉を使う。
胡桃や悠里といった巡ヶ丘学院高校の他の女生徒の制服が緑系統であるのに対し、由紀の着ている制服は青系統である。
恵飛須沢 胡桃(えびすざわ くるみ) / くるみ
声 - 小澤亜李
巡ヶ丘学院高校3年生。由紀の親友で、シャベル(剣先スコップ)を愛用する元気系少女。髪型をツインテールにしており、男の子言葉でカラッとした性格。かつては陸上部に所属しており、そこで培われた脚力や運動能力で由紀たちを助ける。かつて想いを寄せていた先輩がいたが、ゾンビ化した彼に襲われたため、近くにあった園芸用のシャベルで殺してしまった過去を持つ14。以来、ゾンビと戦う手段としてシャベル格闘術を駆使するようになり注釈 3、校舎に侵入したゾンビの撃退や、ゾンビの徘徊するエリアで集団行動する際の露払いを担っている。シャベルと寝食を共にしており1514注釈 4、時には背負っていること自体を忘れるなど16、まるで身体の一部のように思っている16
第18話で右肩を噛まれてゾンビ感染した際には生死の境を彷徨うが、美紀の尽力で一命を取り留める注釈 5。だが、その後遺症なのか身体能力が異様に向上することがある。
若狭 悠里(わかさ ゆうり) / りーさん
声 - M・A・O
巡ヶ丘学院高校3年生。愛称は「りーさん」。学園生活部部長17。みんなのまとめ役で、料理や掃除を担当する家庭系少女。普段は穏やかなしっかり者であり、食料や生活物資、校内施設のライフラインを管理するために家計簿をつけている。本人いわく、家計簿をつけていると「来週のことがわかる」らしい18。左利き。ゾンビの注意を逸らして隙を作る手段として校内放送11、消火器11、ケミカルライト19、防犯ブザー12を用いることを発案し、その仕込みを怠らないなど、冷静な計画性や先を見越した対処能力などで皆を助ける。その一方で想定外の事態に対しては脆い一面もあり、今度こそもう無理1320という状況に追いつめられると平静さを維持できない2122
鞣河小学校に通う妹がいる。
直樹 美紀(なおき みき) / みーくん
声 - 高橋李依
巡ヶ丘学院高校2年生。愛称は「みーくん」。最初から学園生活部の一員ではなく、ショッピングモール「リバーシティ・トロン」17にいた避難生活者11人のうちの最後の生き残り。友人の圭と共にゾンビ禍に巻き込まれ、行動を共にしていた避難グループも全滅し、狭い部屋で極限状況の立て籠もり生活を続けていたところを、ショッピングモールの探索に訪れた学園生活部の面々に救出される。当初は由紀の空想に付き合う学園生活部のメンバーに反感を抱いており注釈 5、冷淡な態度で接していたが、本音のぶつかり合いを経て打ち解け、正式な「部員」となる。単独生活を経験済みであることからゾンビへの対処にも自信を持っており8、走力では元陸上部の胡桃に及ばないという描写がされているものの23、胡桃が倒れた際にはシャベルを借り受けて戦いもこなしている。
原作では第2巻から(第1巻のラストシーンから)登場する人物だが、テレビアニメ版では第1話から学園生活部の一員として登場する。テレビアニメ版の物語開始時点では、ショッピングモールに避難していたのは過去の出来事となっており24、この時点では由紀の現状を肯定的には捉えていないことや24、由紀の空想にうまく話を合わせられない様子が描写されている。犬好き25という設定が原作から踏襲されており、太郎丸に好かれようとしている。
佐倉 慈(さくら めぐみ) / めぐねぇ
声 - 茅野愛衣
巡ヶ丘学院高校の現代国文の女性教師。優しく生徒を思いやる若い教師で、「めぐねぇ」という愛称で生徒から姉のように慕われているが、本人はそう呼ばれるたびに「佐倉先生」と訂正を求める。学園生活部の顧問で、かつて由紀、胡桃、悠里と共に学校の屋上に避難して生き残り、3人の避難生活を導こうとしていた。物語開始時点ですでにゾンビに襲われて故人となっているが、由紀の空想の中では生者として振る舞い、由紀にさまざまな助言を行う。特に由紀が軽率な行動を取ろうとしたり危機に直面したりした場合、空想の中では現状を認識していない由紀に話を合わせながら対処を指示するなど、死してなお由紀を護り続ける。なお由紀の空想に登場する場合と、回想に登場する場合とでは髪型が異なる注釈 6
生前に校長から「緊急避難マニュアル」を渡されていたが、ゾンビ騒動当初は事態を完全に受け入れられず、見ずに放置していた29。その後、深刻さを増す事態の中でようやくマニュアルを開くもすでに遅く、由紀たちに十分な対策処置を施せなかったことにショックを受ける29。それでも気丈に由紀たちを見守っていたが、ゾンビの群れの中に取り残されて噛まれてしまう。完全にゾンビ化する前にひと時だけ人間の心を取り戻すと、由紀たちに危害を加えないよう避難区画の地下2階へ行き、そこで完全にゾンビ化する29。後にそこを見に来た学園生活部と遭遇し、対峙することになる注釈 5
原作者の海法紀光からは「人間的にボンクラなんだけど、生徒目線に立ってくれる先生」「その裏側で、彼女がいい先生に見え続けるような誰かの凄い努力がある」と称されている30。実際、劇中でも回想や遺書などから生前の慈は学園生活部の生き残りを守るために冷徹になったり由紀の幼児退行の件で一人で抱え込むシーンなども見受けられる。
後に学園が火災に巻き込まれた際には(由紀だけではなく)悠里にも視認できる影姿で現れ、朦朧とする悠里と由紀を避難区画まで導いており、由紀からは慈に助けられたと認識された。
太郎丸(たろうまる)
声 - 加藤英美里
原作では第17話の回想に登場。慈の存命中に学園生活部で飼育されていた柴犬。由紀が拾って連れてきたが、その時点ですでにゾンビ感染していた。慈は感染の可能性に気がついており、発症を見届けた後に処分された。由紀には、「元の飼い主が見つかって引き取られた」と虚偽の説明がされている。
テレビアニメ版では原作と設定が異なり、原作では直接的な接点のない美紀と共に第1話から登場する。美紀には懐いていない、自力で引き戸を開けることができる31、といった設定が描かれている。
また、テレビアニメ版の第4話では美紀と圭に出会ったのち、ゾンビ騒動で飼い主(声 - 伊沢磨紀)を失い、美紀と圭とともに共同生活を送っていたことが明かされた32
るーちゃん
鞣河小学校を訪れた際に悠里が生き残りとして助けた女の子。
本名不明。自分の名前を言うことができなかったため、悠里の妹と同じ「るーちゃん」と名づけられた。
リバーシティ・トロン・ショッピングモールの人々 編集
ゾンビ騒動の際、美紀と共にリバーシティ・トロン・ショッピングモールに避難して難を逃れた人々。リーダーのゾンビ感染により壊滅し、美紀が最後の1人となる。

祠堂 圭(しどう けい)
声 - 木村珠莉
第7話、第12話などの回想に登場。巡ヶ丘学院高校2年生。美紀の同級生で10、美紀による人物評によれば「調子が良くて元気」10。ゾンビ騒動の際には美紀と共にショッピングモールを訪れており、共に生き残りのグループに合流した。リーダーを慕っていたが、グループの壊滅後は笑顔を失い、美紀と寝食を共にする。最終的には2人だけの避難生活に耐えられなくなり、美紀の元を去った。美紀は圭との再会を望んでいたが10、第30話で圭と似た髪型のゾンビとすれ違ったことに気付く。
原作では単に「圭」と呼ばれているが、テレビアニメ版ではフルネームが設定されている33。音楽が好きで、ポータブルCDプレイヤーを常に持ち歩いている33という設定が追加されている。
リーダー
第12話の回想に登場。美紀の日記では単に「リーダー」と呼ばれている。若い男性で、ショッピングモールにいた生き残りグループの中心的人物。ゾンビの徘徊する階に隠れていた美紀と圭を救出し、グループに招き入れた。
しばしば探索中に皆を楽しませるための物品を持ち帰り、女性たちから慕われていた。しかしある日の探索で左手首をゾンビに噛まれて感染し、そのことを打ち明けずに隠したまま注釈 7、皆と酒宴を開いて酔い潰れ、皆が寝静まった後にゾンビ化してグループの壊滅を引き起こした。テレビアニメ版には未登場。
自堕落同好会 編集
聖イシドロス大学のサークル。武闘派に追い回されていた学園生活部を助ける。

出口 桐子(でぐち とうこ)
「自堕落同好会」の代表。眼鏡をかけている。一人称は「ボク」。
光里 晶(ひかりざと あき) / アキ
「自堕落同好会」の一人。巻いた髪をポニーテールにしている。
喜来 比嘉子(きらい ひかこ) / ヒカ
「自堕落同好会」の一人。黒髪セミロングの女性。工作や修理が得意。
その他 編集
神山 昭子(かみやま あきこ)
声 - 葉山いくみ
巡ヶ丘学院高校の教師で、慈の先輩にあたる。テレビアニメ版に登場。
柚村 貴依(ゆむら きい)
声 - 芳野由奈
巡ヶ丘学院高校の3年生で、由紀のクラスメイト。
首のチョーカーと化粧が濃く、パンク系な雰囲気が特徴。テレビアニメ版に登場。
先輩
声 - 古川慎注釈 8
胡桃が好意を寄せていた巡ヶ丘学院高校陸上部のOBで、大学生。本名不明。
ゾンビ化し、胡桃に襲い掛かったが、彼女の手で始末された。
ラジオDJ
ラジオ「ワンワンワン放送局」を放送していたお姉さん。本名不明。
リスナーとお茶を飲むこと、一緒に外に出ることを夢見ていたが、学園生活部が到着する前にゾンビ化した。
置手紙とキャンピングカーの鍵を残し、別室で自身を始末しようとしていたが失敗し、胡桃の手で眠りについた。