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微熱(R-18)
ーー琉生ちゃん?何しているの?
驚いたように見開かれた雛姫の瞳がそう問うて来る。
まるで状況を飲み込んでいないポワンとした無防備な表情からは、自分が組み敷かれていることが認識出来ていないことが推測出来る。とは言うもののそれも仕方がないだろう。バイトをしなければ高校にも通えないほど貧しい家に生まれた奨学生の私と、華族の血を引く名門の家に生まれた生粋のお嬢様の雛姫では見ているものが違うのだ。
「何って…服を脱がすんだよ」
『琉生ちゃん、悩みがあるならいつでも相談に乗るからね?』
この方経験して来た金持ちの偽善と言うのには大抵辟易するけれど、どうやら雛姫が私を気にかけていると言う話は気付けばクラスで知らない人はいないまでに広がっていた。女子高の噂と言うのは広まりやすい。しかも年齢の割に大人びていた私と言う人間は、まだ世間知らずの女の子たちから見てみればミステリアスで危険な魅力があるらしい。
だてに年齢を偽ってバーテンのバイトなどをしている訳ではないと言う訳か。私は、時折靴箱や机に忍び込んでいる自分宛の手紙や焼き菓子などの子供じみたプレゼントを見つける度、無邪気で純粋な「表面しか見ていない人々」の姿に肩を震わせて笑うことしか出来なかった。
けれども特に厄介なのは雛姫のようなタイプだ。全てに余裕のある人種と言うのは他者を干渉する趣味があると言うのは慈善事業やボランティアの歴史が証明しているが、雛姫も類に漏れずそう言う種類の人間だった。彼女は学校を休みがちな私の為に授業のノートをとったり、わざわざ手作りの弁当を作って来たりしているともっぱらの噂だった。
金持ちの同情など反吐が出る。
憐れみは見下しと同異義語だ。
私はプライドを傷付けられた。
だから放課後。図書室に誰もいないことを確認した私は、あらかじめ声をかけておいた雛姫を呼び出し、はじめて私に必要とされたことを喜ぶ彼女を尻目に悪友に借りた鍵を閉めると、その体を抱き締めてふわふわの柔らかく波打つ髪に顔を埋めた。長身の私より背の低い雛姫は手足の長い私の腕にすっぽりと抱かれてしまう。とりあえず「いつもありがとう」と適当に呟いて頬に唇を寄せると、雛姫が驚いたように体を震わせて私を見上げた。
そう、その目。
多分私はその目が気に入らないのだ。
汚れを知らないガラス玉のような綺麗な瞳。その大きな目を縁取る睫毛はマッチ棒が乗るのではないかと思うほど長く、艶やかな赤い唇が何かを問うように開かれていた。まるでサンドロ・ボッティチェッリの描いた春の女神のように無駄に美しくて癪に障る。果たして彼女は底辺だと思っている人間に尊厳を踏み潰されたとき、どんな顔をするのだろうか。唾液が粘ついているのは興奮をしているからか。
これは私なりの復讐だった。
だけど触れてしまえば最後、服の裾から忍ばせた指に触れた柔らかい処女の肌の感触に自然と欲望が募るのを感じる。思わず彼女の膨らんだ胸を強く握ると雛姫の顔色が変化したので、そのまま長机の上に押し倒す。
「駄目よ…そんな!」
「うるさいな、少し黙ってよ」
無駄に暴れられるのは面倒なので雛姫の手首を片手でまとめてしまうと、制服のスカートが捲れるのも構わずにジタバタと抵抗を示し始めた彼女の両脚の間に体を割り込ませる。とは言え、なまじ数多くの客の女性と一夜の関係を持っては小遣い稼ぎをしている私の本領を舐めてくれては困る。ブレザーの制服を剥ぎ取るとシャツを強引に脱がす。ボタンが弾ける音がする。
「や、やめて…!!」
無理矢理フロントホックのブラジャーを剥ぎ取り、唇を重ねながら私たちは放課後の図書室で絡み合う。唇をこじあけて乱暴に舌を絡めて吸い上げると、私の手の中で雛姫の胸元を飾る可愛いらしい桃色の突起が何かに脅えるように微かに震えた。
End
恋ひ死ねとするわざならし
むばたまの夜はすがらに夢に見えつつ
意味:焦がれ死にしろということか、あなたが一晩中夢に出てくる。
驚いたように見開かれた雛姫の瞳がそう問うて来る。
まるで状況を飲み込んでいないポワンとした無防備な表情からは、自分が組み敷かれていることが認識出来ていないことが推測出来る。とは言うもののそれも仕方がないだろう。バイトをしなければ高校にも通えないほど貧しい家に生まれた奨学生の私と、華族の血を引く名門の家に生まれた生粋のお嬢様の雛姫では見ているものが違うのだ。
「何って…服を脱がすんだよ」
『琉生ちゃん、悩みがあるならいつでも相談に乗るからね?』
この方経験して来た金持ちの偽善と言うのには大抵辟易するけれど、どうやら雛姫が私を気にかけていると言う話は気付けばクラスで知らない人はいないまでに広がっていた。女子高の噂と言うのは広まりやすい。しかも年齢の割に大人びていた私と言う人間は、まだ世間知らずの女の子たちから見てみればミステリアスで危険な魅力があるらしい。
だてに年齢を偽ってバーテンのバイトなどをしている訳ではないと言う訳か。私は、時折靴箱や机に忍び込んでいる自分宛の手紙や焼き菓子などの子供じみたプレゼントを見つける度、無邪気で純粋な「表面しか見ていない人々」の姿に肩を震わせて笑うことしか出来なかった。
けれども特に厄介なのは雛姫のようなタイプだ。全てに余裕のある人種と言うのは他者を干渉する趣味があると言うのは慈善事業やボランティアの歴史が証明しているが、雛姫も類に漏れずそう言う種類の人間だった。彼女は学校を休みがちな私の為に授業のノートをとったり、わざわざ手作りの弁当を作って来たりしているともっぱらの噂だった。
金持ちの同情など反吐が出る。
憐れみは見下しと同異義語だ。
私はプライドを傷付けられた。
だから放課後。図書室に誰もいないことを確認した私は、あらかじめ声をかけておいた雛姫を呼び出し、はじめて私に必要とされたことを喜ぶ彼女を尻目に悪友に借りた鍵を閉めると、その体を抱き締めてふわふわの柔らかく波打つ髪に顔を埋めた。長身の私より背の低い雛姫は手足の長い私の腕にすっぽりと抱かれてしまう。とりあえず「いつもありがとう」と適当に呟いて頬に唇を寄せると、雛姫が驚いたように体を震わせて私を見上げた。
そう、その目。
多分私はその目が気に入らないのだ。
汚れを知らないガラス玉のような綺麗な瞳。その大きな目を縁取る睫毛はマッチ棒が乗るのではないかと思うほど長く、艶やかな赤い唇が何かを問うように開かれていた。まるでサンドロ・ボッティチェッリの描いた春の女神のように無駄に美しくて癪に障る。果たして彼女は底辺だと思っている人間に尊厳を踏み潰されたとき、どんな顔をするのだろうか。唾液が粘ついているのは興奮をしているからか。
これは私なりの復讐だった。
だけど触れてしまえば最後、服の裾から忍ばせた指に触れた柔らかい処女の肌の感触に自然と欲望が募るのを感じる。思わず彼女の膨らんだ胸を強く握ると雛姫の顔色が変化したので、そのまま長机の上に押し倒す。
「駄目よ…そんな!」
「うるさいな、少し黙ってよ」
無駄に暴れられるのは面倒なので雛姫の手首を片手でまとめてしまうと、制服のスカートが捲れるのも構わずにジタバタと抵抗を示し始めた彼女の両脚の間に体を割り込ませる。とは言え、なまじ数多くの客の女性と一夜の関係を持っては小遣い稼ぎをしている私の本領を舐めてくれては困る。ブレザーの制服を剥ぎ取るとシャツを強引に脱がす。ボタンが弾ける音がする。
「や、やめて…!!」
無理矢理フロントホックのブラジャーを剥ぎ取り、唇を重ねながら私たちは放課後の図書室で絡み合う。唇をこじあけて乱暴に舌を絡めて吸い上げると、私の手の中で雛姫の胸元を飾る可愛いらしい桃色の突起が何かに脅えるように微かに震えた。
End
恋ひ死ねとするわざならし
むばたまの夜はすがらに夢に見えつつ
意味:焦がれ死にしろということか、あなたが一晩中夢に出てくる。
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表示回数 1416 (since 2012/8/17)
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